カテゴリー「日本酒 SAKE」の13件の記事

2018年9月11日 (火)

豊後巡礼 杵築はサンドイッチ型城下町 湯平は現世の果て

大分には縁があり、少なくとも十回は来ていますが、空港からかつてはホーバークラフト、昨今は高速バスかレンタカーですぐに高速道路に入っていました。今回は下道で初めて杵築のサンドイッチ型城下町に立ち寄ることに。別府湾に面した高台は南北に分かれていて、落ち着いた武家屋敷が建ち並び、その谷間には商人の町が残っています。谷間に向かう両側の坂はV字を描き、その類を見ない景観は一見の価値あり。町外れには普段愛飲する銘酒、智恵美人を醸す中野酒造があり、念願の訪問を果たして蔵見学と試飲三昧。今晩の宴の仕入れを済まし、湯布院の金鱗湖を経由して、4年ぶりの湯平温泉へ。5つの共同浴場の一つ、橋本温泉に浸かった後、湯治場の情緒が漂う鄙びた温泉街を散策すると、現世かあの世か異空間に入り込んだ模様。つげ義春の「貧困旅行記」を思い出さずにはいられません。

Pic20180911a

Pic20180911b

Pic20180911c

|

2017年7月14日 (金)

旭川夏休みその1 避暑のはずが猛暑の北の大地

夏の三連休前に休暇を取り、避暑がてら旭川へ逃避行。ところが日中は猛暑に見舞われ、一足先に真夏を味わうことに。旭川には三十年前の冬に訪れ、駅の待合室に野宿したことがありますが、今の綺麗な高架駅や駅前広場に当時の面影はありません。午前中はすっかり観光名所となった旭山動物園へ。ペンギンやホッキョクグマは人気者、中でも水中を飛ぶカバは不思議な光景、北海道のオオワシの立ち姿も立派でした。帰りのバスを途中下車して高砂酒造に立ち寄り、明治酒蔵を改修した直営店で国士無双の限定酒を試飲。夕方、歩行者天国の平和通買物公園から常磐公園を経て石狩川まで散策。歓楽街のさんろく街に戻る途中、昭和初期の佇まいが残る「5・7小路ふらりーと」を見つけ、新子焼き(若鶏半身)で有名な焼鳥屋にて喉を潤し、火照った体を冷ましました。

Pic20170714a

Pic20170714b

Pic20170714c

|

2017年3月 8日 (水)

陸奥遠征その1 八戸の盛り場と朝市の街・陸奥湊を行く

東北新幹線で遠路はるばる八戸出張。駅を降りると雪が激しく降っていましたが、しばらくすると晴れ間が差してきました。仕事が終わり、夜は北国の盛り場へ。中心街には戦後に誕生した横丁が幾つか残されている他、新たな屋台村・みろく横丁も賑わいを見せています。そうした中、今夜の寄港地、渋い外観の名酒場・ばんやが街角に佇んでいました。暖簾をくぐると、こじんまりとした漁師小屋風の空間に暖かな雰囲気が満ちています。カウンターに陣取り、烏賊の肝和え、馬刺、ざるめを肴に、青森の地酒、豊盃、陸奥八仙、稲生を堪能。翌日は昼時に朝市が引けた後の陸奥湊に足を延ばし、市営魚菜小売市場をのぞいたり。最後は近所のみなと食堂で平目漬け丼を頂きましたが、淡泊と思いきや濃厚で絶品。満腹で八戸を後にしました。

Pic20170307

Pic20170308a

Pic20170308b

|

2017年1月 4日 (水)

新春紀州の名刹酒蔵巡礼 長閑な蜜柑畑に癒やされて

正月に泉南に帰省した折、穏やかな天気の中、和歌山の名刹と酒蔵を巡礼。和歌山県には国宝建造物が7件あり、そのうち高野山の2件と根来寺は何度か訪れたことがありましたが、今回は下津にある残り4件、長保寺と善福院を訪問。阪和自動車道の下津インターを降りると、谷間には蜜柑畑の長閑な風景が広がっています。その真っ只中に禅宗様の善福院釈迦堂がひっそりと建っていました。一方、長保寺には鎌倉時代末期の大門、多宝塔、本堂がまとまって残されていて、裏山には紀州徳川家の廟所も広がっています。閑静な名刹で心身が清められた後は、海南市内の黒江地区を訪れ、銘酒「黒牛」を醸す名手酒造店へ。黒江は室町時代からの紀州漆器の町、独特の町屋景観が残されていました。帰路、和泉山脈を越える手前で岩出市の酒蔵、吉村秀雄商店に立ち寄り、最近都内でも見掛ける「車坂」を土産に購入。人混みに無縁の地、道中無人販売の蜜柑を食しつつ、癒やしの散策となりました。

Pic20170104a

Pic20170104b

Pic20170104c

|

2016年6月26日 (日)

出羽遠征その1 初夏の秋田にて真面目な酒蔵巡り

醸造学に関わる幸運な仕事を受けて、秋田と横手の4つの酒蔵を見学する機会を得ました。秋田新幹線でまずは一路秋田へ、盛岡までの2時間はあっという間、そこからの田沢湖線、奥羽本線はのんびりと車窓の風景が楽しめます。初日の秋田市内では、先ず川反通りに程近い今を時めく新政酒造を訪問。古関弘杜氏の協会6号酵母への情熱を伺い、新たな酒造りへの挑戦には目が離せません。その後、雄物川を渡り、新屋にある昔ながらの小さな酒蔵、秋田酒造へ。文化財の主屋座敷にて秋田晴・酔楽天と季節のさくらんぼを頂戴しました。翌日は横手市郊外の伝統ある酒蔵へ。半径5キロの田圃から天の戸を醸す浅舞酒造は、風情のある木造建築、盆地の伏流水が湧き出す蔵や古い仕込蔵が印象的。一方、内蔵で有名な増田にある日の丸酒造では、伝統と革新の融合により様々な酒米で季節限定酒を送り出しています。酒蔵見学の最後には豪勢な内蔵を拝み、美酒まんさくの花を心より味わいました。

Pic20160626a

Pic20160626b

Pic20160626c

Pic20160626d

|

2016年1月15日 (金)

北陸新幹線初乗車 冬の立山連峰と富山湾に心洗われる

今年最初の出張は、初めて乗車する北陸新幹線で黒部へ。E7系の車内は座席も走行音も快適、トンネル突入時の微気圧波対策で車両先端部の尖りは抑えられているようです。黒部宇奈月駅に下車すると、散居村の向こうには、水墨画の屏風絵のような立山連峰が控えていました。冬場の日本海側は常に陰鬱な暗雲が垂れ込めていますが、反対側にこのような絶景が享受できるとは随分劇的な土地柄、心が救われます。日中のアルミサッシ工場見学を終えると、夕方には宿のある魚津へ。 富山湾の幸と地酒に期待を膨らませつつ、 駅近くの魚津郡ねんじり亭に繰り出すと、期待通りの刺身盛り合わせや毛蟹を肴に、満寿泉、北洋、幻の瀧の美酒を堪能。雹も降る仄暗い中の一日でしたが、心洗われる時間となりました。

Pic20160114

Pic20160115

|

2015年8月 1日 (土)

猛暑の地へ遠征 関宿から館林うどん、佐野の地酒、足利花火

8月に入り、恒例の研究室調査旅行で北関東遠征。柏の葉を出発、まずは千葉県最北端、利根川と江戸川が分流する関宿へ。江戸時代に水運で栄えた城下町の姿はもはやありませんが、関宿城博物館の天守閣から北を望むと、千葉・埼玉・茨城3県の接点が拝めます。猛暑で有名な群馬・館林にて老舗花山うどんの幅広きしめん「鬼ひも川」を食した後、栃木・佐野にある第一酒造の酒蔵見学へ。丁寧な説明を受けた後、酒蔵を改造したギャラリーにて銘酒・開華を数種類試飲。今夜のメインイベントに備えて足利に移動し、日本最古の学校として復原された足利学校、本堂が国宝に指定された鑁阿寺をぶらりと散歩。スーパーや焼鳥屋で買い出しを済ませ、いざ河川敷の花火会場へと大勢の観衆の中を進むと、予想通りの夕立が始まり一時騒然。ただそれも十数分で止み、無事に花火大会が開始され、尺玉やスターマインの視野一杯に広がる光と大音量に圧倒されるばかり。今年で第101回を迎える伝統ある花火大会だけあり、地元の人々に愛される日本の夏らしい雰囲気を大いに満喫しました。

Pic20150801a

Pic20150801b

Pic20150801c

Pic20150801d

|

2015年5月25日 (月)

初夏の宮崎中央へ 城下町・高鍋と古代日向の都・西都の風景

宮崎中部へ一泊二日の出張。宿泊地の高鍋町は、江戸時代に秋月氏が治めた高鍋藩の城下町。小さな町ながら、城跡がある舞鶴公園付近には飲み屋が密集していて、その一軒で宮崎の食を味わいました。宮崎といえば地鶏炭火焼と宮崎牛、加えて日向灘の地魚、高鍋名産の天然牡蠣など、豊かな食材に舌鼓。実は、すぐ近所に麦焼酎「百年の孤独」で有名な黒木本店があり、車で30分程の山間には別蔵の尾鈴山蒸留所もあるそうですが、今日は定番の芋焼酎「たちばな」で一杯。翌日は一ツ瀬川を渡り、のどかな風景の広がる西都原古墳群や都於郡城跡を訪れました。昼食に立ち寄った鰻炭焼きの名店・入船では、関東風とは違ってしっかりと焼かれた鰻が味わい深い。鰻丼の付け合わせで出てきた呉汁と糠漬けがまた一段と美味しく、これらも名店の所以。帰り際、店外には待つ人が長蛇の列を作っていました。偶然早い時間に立ち寄ったことが幸運でした。

|

2015年4月11日 (土)

懐かしの鹿児島探訪その1 新緑と絶景の南薩摩ドライブ

新年度早々、週末に高校卒業以来28年ぶりの鹿児島へ。夕方空港でレンタカーを借り、先ずは妙見温泉・おりはし旅館の露天風呂に直行。南国の濃い緑の中、無人の秘湯にて浮世離れした後、錦江湾と桜島を望みながら、のんびりと鹿児島市内までドライブ。翌朝、母校のある谷山地区を訪れ、校内や昔の下宿、電停付近の様変わりした風景を見て回りました。谷山から南西に車を飛ばし、金峰山、加世田を抜けて笠沙へ。現在その一帯は南さつま市になりましたが、かつての笠沙町に父方の実家があり、幼少時から何度か滞在したことがあります。目の前に田んぼが広がる小川を隔てた山際に茅葺屋根の家がありましたが、今や竹藪に囲まれた廃屋と化していました。野間半島を西へ進み、断崖と奇岩が点在する絶景を抜けると、西端の野間池に着きました。池といっても海につながる火山湖ですが、その脇に建つ笠沙恵比寿で海に関する展示を鑑賞。風車が立ち並ぶ野間岬を拝んだ後は、焼酎づくり伝承展示館・杜氏の里笠沙へ。明治時代にこの地の黒瀬杜氏が九州一円の酒造場に出稼ぎに赴いたそうです。鹿児島市内に戻り、今宵は天文館の佳肴酒悦天恵庵・菜菜かまどへ。高良酒造・八幡のお湯割りで至高の刺身とつきあげを頂きました。

Pic20150410

Pic20150411a

Pic20150411b

|

2015年3月27日 (金)

喉かな春の茨城中央へ 歴史ある蔵元と内原鉱泉

年度末恒例の出張で茨城県中央の友部まで、新しい常磐線特急「ときわ」に乗って出かけました。日差しのある暖かな午後、まずは平安時代から続く古い蔵元、須藤本家を訪問。平野の中の小さな欅の杜に、風情のある門構えがひっそりと佇んでいました。酒蔵は古い木造建屋ながら、見学用のスペースが併設されていて、試飲とレクチャが受けられます。代表銘柄の郷乃譽をはじめ、売り出し中の山桃桜(ゆすら)などを頂き、夜の宴会用の仕入れも完了。その後、内原鉱泉・湯泉荘まで2キロ程度、散歩がてら畑や林の中を歩き、こちらも趣のある割烹旅館に到着。いつの間にか笠間市から水戸市に入った所にあり、どうやら庶民の奥座敷といったところ。夜の宴会は、ボリューム満点のコース料理に日本酒三昧。年度末、喉かな春の一日を過ごしました。

|