2018年2月10日 (土)

ムストネン来日公演 ノンレガート奏法による刺激的な音楽

フィンランドの奇才とも称されるピアニスト、オッリ・ムストネンの演奏を聴きに、土曜の昼下がりのすみだトリフォニーホールへ。以前から、ショスタコーヴィッチとアルカンの前奏曲集、プロコフィエフ「束の間の幻影」とヒンデミット「ルードゥス・トナリス」、といった珍しいカップリングのCDに注目していましたが、生演奏は初めて。前半はシューマン「子供の情景」とプロコフィエフの第8ソナタ。独特のノンレガート奏法により刺激的な音楽が繰り広げられ、特にプロコフィエフの終楽章は圧巻。よくもあれほどの鋭敏な打鍵にピアノが追従できるものと感心しました。後半のベートーヴェンの「森のおとめ」変奏曲と熱情ソナタも類を見ない演奏。熱情はかなり奇異な印象を受けましたが、変奏曲は光るものあり。若い頃の録音にベートーベンの変奏曲集があることを知り、早速物色しましょう。

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2017年12月 6日 (水)

年の瀬の二公演 岡田博美の超絶技巧、エマールの眼差し

11月末は久しぶりに東京文化会館小ホールを訪れ、岡田博美氏のピアノリサイタルへ。標題は「Virtuosity - バロックから近代まで」、前半はバッハの半音階的幻想曲とフーガに始まり、ワルトシュタイン、後半はリャプノフのレスギンガやドン・ジョバンニの回想など、名技性満載のプログラム。バッハの緻密な演奏に対して、後半は意外にも情熱が過ぎ、勢いで走り抜けた印象を受け、やや残念。ホールでは中央やや右寄りの席でしたが、低音域が過多に響き、明瞭性が今ひとつ。記憶では良い音響のイメージがありましたが、前回訪問が思い出せません。少なくとも2014年の改修前ですが、改修の影響か、聴く耳が変わったのか。12月初めは東京オペラシティコンサートホール にて、エマールによるメシアンの幼子イエスに注ぐ眼差し全曲演奏会。最大の期待を持って向かいましたが、演奏会というより宗教的な精神体験のようで、期待以上の圧倒的な感銘を受けました。自身の存在すら意識させない程の音楽への没入感は、エマールの高度な演奏技術と音楽的理解が為せる業。ホールの雰囲気も大いに貢献、もちろんメシアンのまさに神懸かり的な創造があってこそ。

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2017年11月20日 (月)

徳島再訪 阿波人形浄瑠璃の世界 鳴門の渦潮の絶景

今年の春に引き続き、秋の徳島に一泊二日の出張で再訪。前回の宿題となった阿波十郎兵衛屋敷を訪問し、阿波人形浄瑠璃の一端に触れました。阿波人形浄瑠璃は、大阪で発展を遂げた文楽とは異なり、農村舞台で上演された民俗芸能で、明治時代に最盛期を迎えたそうです。人形を間近で見るとかなりの大きさで、三人で遣うにしても随分と重そうで、支えるだけでも大変そうです。残念ながら、今回も上演を鑑賞することができず、もう一度宿題が残りました。翌日は仕事の後、鳴門海峡まで車を飛ばし、大鳴門橋の遊歩道「渦の道」へ。道路の下の橋桁の中を、海峡の景色を左右に眺めながら、歩くこと450m。展望台の真下には激しい渦潮が見え、観光船が渦に近づいては流されていました。ちなみに、世界三大潮流は、鳴門海峡の他にメッシーナ海峡とセイモア海峡だそうです。最後は、橋の袂の孫崎から海峡に架かる橋と淡路島の雄大な風景を拝み、帰路に就きました。

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2017年10月29日 (日)

葡萄酒呑録2016年 健康的に量より質の一年

秋の夜長、ワインを傾けつつ、ようやく昨年のワイン記録を整理しました。例年通り、Tasting Record 2016を公開、Selection of Four Starsも更新。昨年は体調不良が続き、普段のワインは控えたため、1994年に記録を付け始めて以来、二番目に少ないボトル数57本となりました。しかし、その中で最高位の四つ星は3本となり、量より質に移行しつつあります。その3本は全て八ヶ岳山麓の知人別荘宅でのワイン会で頂いた格調高い白と赤。RemoissnetのBienvenues Batard-Monrachet 1986、GuigalのCôte-Rôtie La Landonne 1994、CaparzoのBrunello di Montalcino La Casa 1985を選出しました。各々の感想はこちら

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2017年10月 1日 (日)

ジャワの道化師四人組勢揃い 宇和島の牛鬼まつり

昨年インドネシア人留学生から二つのトッペンを頂きましたが、さらにその続きで二つを頂きました。桃色顔はGareng、白顔はSemarという名前の宮廷道化師(Panakawan)のようで、これで四人組が揃いました。また、先日の南予遠征の際、宇和島土産の牛鬼のミニチュアを購入。宇和島では夏に和霊大祭と同時に牛鬼まつりが開催され、その祭には「牛鬼」と呼ばれる巨大な山車が登場するそうです。一度訪れてみたいものです。Asian MasksJapanese Masksを更新。

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2017年9月24日 (日)

南予を行く 郷愁の内子・大洲から八幡浜へ

連休中は研究室企画として、一泊二日の南予の旅。内子は二十年前に訪れて以来でしたが、大洲街道の古い町並みや内子座はしっかり手入れされていました。木蝋資料館となっている上芳我邸は重要文化財として有名ですが、日本のビール王が育ったという高橋邸も風情があります。宵の口に街で夕食を取り、内子にある千代の亀酒造と酒六酒造の銘酒を入手して、鄙びた山間の小薮温泉に宿泊。翌朝は大洲の町並みを散策し、明治の名建築、臥龍山荘へ。肱川を望む崖上に数奇な建物と庭園は、期待以上に品格があり見事。崖を見下ろす不老庵の茶室で優雅に茶を頂きました。大洲城の天守に上った後は、西に向かい八幡浜へ。港で豪勢な海鮮丼を食し、市場で地の魚を見て回った後、旅の終わりは諏訪崎まで若干ハードな行軍。西国の果てにて、豊後水道と佐田岬半島の景色を拝みました。

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2017年8月30日 (水)

香港紀行その2 素晴らしき潮州料理、山海の美味に舌鼓

香港滞在中の最大の楽しみは、やはり食文化。朝食は街角のお粥屋で頂く、薄味ながら魚のあらや皮蛋の旨味が効いた粥が素晴らしい。広東料理や上海料理も食べる機会がありましたが、現地に入って潮州料理の存在を知り、初日と最終日の夜に食しました。潮州市は香港より北、海岸線より内陸に入った所に位置しますが、海に面していて、海産物の干物、練り物や鵞鳥の料理が有名です。鵞鳥肉を煮込んだ鹵水鵝は定番料理で癖もなく旨味あり。小さな牡蠣が入った粥やチヂミ、三種類の烏賊のセロリ炒めなども比較的あっさりした優しい味でした。花蟹を茹でて冷ました凍花蟹は名物ですが、一匹2万円以上の超高級食のため今回は残念ながら見送り、干し海鼠と家鴨の水掻きの土鍋煮を注文。両者ともにゼラチン質がたっぷりで大変な美味。ビールは青島と藍妹(ブルーガール)、紹興酒と合わせると、益々山海の美味に唸るばかり。

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2017年8月29日 (火)

香港紀行その1 熱気溢れる超過密都市の下町情緒

中国南部に数十年ぶりの大型台風が直撃したというニュースの翌々日、国際学会で香港に出張。往路の飛行機は無事でしたが、別の台風が近づいているようで、街は薄暗い雨模様。亜熱帯らしい蒸し暑さ、古めかしい高層ビルの密集、人混みの活気が相俟って、SF映画の未来都市に迷い込んだよう。とはいえ、地下鉄や二階建てトラムは綺麗で使いやすく、地元の人々にも都会人らしい品性が感じられます。宿泊した香港島の上環地区には骨董街や乾物街などが集まっていて、下町情緒に溢れていました。道教寺院の文武廟を訪れると、煙が充満する本堂では数多くの不思議な円盤が吊り下げられていました。よく見ると、円盤の上には大きな渦巻き状の線香があり、円盤はその落下を受け止めるもののようです。学会は香港返還時にビクトリア湾に面して建設された香港会議展覧中心で行われました。仕事の後はその近くからフェリーで対岸の九龍地区の尖沙咀に渡り、目抜き通りの彌敦道や露店が並ぶ女人街を散策。ただ、余りの熱気に参ってしまい、早々に香港島に引き揚げました。

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2017年8月12日 (土)

涼夏の定例演奏会 メトネルのソナタ初挑戦

山の日の翌日、ルーテル市ヶ谷ホールにて演奏会「ぴあの好きの集い」に出演。8月に入ってからのかつてない涼夏のお陰で、数年ぶりに体調不良もなく、落ち着いて演奏会に臨めました。いつもの長丁場の中、今回はメトネルのソナタに初挑戦。コンパクトながら3楽章形式の中でメトネルの多彩なピアニズムを味わえる「おとぎ話ソナタ」を選曲。完成度は上がらず仕舞いのため、本番では綻びが多々出てしまいましたが、久しぶりにロシアの旋律が体を駆け抜け、大地のパワーを得た気分になりました。しばらくロシア物を物色することになりそうです。Performance Historyを更新。

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2017年7月15日 (土)

旭川夏休みその2 旭岳姿見散策にて天空の別世界を満喫

夏休みのハイライトは大雪山旭岳。旭川駅からリムジンバス「いで湯号」に揺られて一時間半程、忠別川沿いの広大な原生林を駆け上り、旭岳ロープウェイの山麓駅に到着。さらにロープウェイで標高1,600mの姿見駅まで上ると、気温は20度とひんやり気持ちよく、目の前には大雪山系最高峰(標高2,291m)、旭岳の雄姿が雪の残る沼の向こうに広がっていました。ここから山頂まで片道2時間少々で登れるようですが、今回は姿見の池を散策するコースをゆっくりと巡ることに。一面に咲くチングルマ、所々に見掛けるエゾノツガザクラ、エゾイソツツジ、ミヤマリンドウ、小さな花々が織りなすパノラマはまさに神々の庭。天空の別世界を満喫した後は下界の旭岳温泉に浸かり、身も心も癒されて帰京しました。

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