2018年9月25日 (火)

音盤回想録2017 ハフのシャルベンカと来日公演での爆演

昨年の音盤回想録をようやく完成させ、Discs Reminiscent 2017を掲載。LPが懐かしいケントナーのリャプノフ、ヘンクの偏執狂的なモソロフ、オズボーンの優美なカプースチン、ソコロフの壮大なラフマニノフと、ロシア物が半分を占めました。シャルベンカのピアノ協奏曲第4番で魅せるハフの流麗な技巧にも改めて聴き入ってしまいましたが、その彼のリサイタルが三年振りに武蔵野市民文化会館で開催されました。前後半の冒頭にドビュッシーの映像両巻を据えて、前半はシューマンの幻想曲、後半はベートーヴェンの熱情で締めるプログラム。ドビュッシーでは透明な音色で淡々と演奏を展開していましたが、シューマンはかなり情熱的、ベートーヴェンに至っては終楽章を脱線寸前、というより半ば脱線しながら爆発的な勢いで駆け抜けていき、これには随分驚かされました。若い頃からどのような難曲でも一糸乱れず上品に弾き切るイメージがありましたが、五十代半ばを過ぎて感情の爆発的表現に目覚めたのかもしれません。

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2018年9月11日 (火)

豊後巡礼 杵築はサンドイッチ型城下町 湯平は現世の果て

大分には縁があり、少なくとも十回は来ていますが、空港からかつてはホーバークラフト、昨今は高速バスかレンタカーですぐに高速道路に入っていました。今回は下道で初めて杵築のサンドイッチ型城下町に立ち寄ることに。別府湾に面した高台は南北に分かれていて、落ち着いた武家屋敷が建ち並び、その谷間には商人の町が残っています。谷間に向かう両側の坂はV字を描き、その類を見ない景観は一見の価値あり。町外れには普段愛飲する銘酒、智恵美人を醸す中野酒造があり、念願の訪問を果たして蔵見学と試飲三昧。今晩の宴の仕入れを済まし、湯布院の金鱗湖を経由して、4年ぶりの湯平温泉へ。5つの共同浴場の一つ、橋本温泉に浸かった後、湯治場の情緒が漂う鄙びた温泉街を散策すると、現世かあの世か異空間に入り込んだ模様。つげ義春の「貧困旅行記」を思い出さずにはいられません。

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2018年8月18日 (土)

真夏の静岡遠征 ガラス張りホールの調整 駿府城と青葉横丁

夏休み期間にホール音響設計の仕事で掛川へ。三共製作所の工場に併設されたガラス張りの多目的ホールの音響測定を二日間にわたって行いました。エンドステージ型やアリーナ型の座席配置で室内の残響が適度となるように、可動吸音衝立や吸音ブラインドを調整する合間、新品のスタインウェイのフルコンを試奏。空調騒音対策に難儀したホールですが、残響はブラインドによる調節範囲が広いので、一安心です。掛川を後にして静岡でふらり途中下車。駿府城の二ノ丸堀から東御門をくぐって駿府城公園に入り、園内を散策。家康公像への挨拶を済ますと、繁華街南端の青葉横丁へ。赤提灯が並ぶ細い路地は、整備されたものの風情が残っています。その入口の名店、三河屋に滑り込むと、小さなコの字カウンターのみの異空間。気の利く主人に身を任せ、静岡おでんと揚げ物を頂くと、そのもてなしは高級てんぷら屋のカウンターにも思える程。最高にいい気分で静岡を後にしました。

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2018年8月11日 (土)

山の日のピアノ三昧 カプースチン予行練習

今年は山の日にルーテル市ヶ谷ホールにて、恒例の演奏会「ぴあの好きの集い」に出演しました。年々演奏会の規模が大きくなり、ついに真昼の12時台に開演、19時過ぎまでの長丁場。名曲名演の中、初めて聴いたドノスティアのバスク前奏曲集、ブラジル人作曲家ゴメスのナソン・プリメイラが印象に残りました。私自身は12月のP2演奏会に向けて練習中のカプースチンのピアノソナタ第1番から第1、第4楽章を演奏。鍵盤の感触の僅かな違いから弾きこなせなくなる箇所が露呈し、ある意味で良い予行練習となりました。とはいえ、残り4ヶ月で第2、第3楽章を譜読みから取り掛からなくてはならず、突貫工事は避けられません。明日からのお盆休みは、練習室に籠もってピアノに向かうことになりそうです。

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2018年8月 6日 (月)

奥日光へ避暑輪行 中禅寺湖から湯ノ湖 爽快いろは坂下り

夏休みの早朝、輪行袋を抱えて特急けごんに乗車し、一路日光へ。東武日光駅からはバスの床下トランクに自転車を積み、第二いろは坂を明智平まで上って下車。小雨が降り始める中、サイクリングを開始。まずは中禅寺湖に向けて下り、男体山を拝みながら大鳥居をくぐって湖畔を西進し、竜頭ノ滝へ。小休憩の後、しばらく坂を我慢して登ると、戦場ヶ原が開けてきました。さすがに標高1,400mを越えると随分涼しく、至極快適。平坦な道が終わり、再度急な坂を登り切ると、湯滝の上の湯ノ湖に出ました。湖畔のレストハウスで昼食をとり、湯元の温泉寺や湯畑を巡った後は、日光の下界まで約30kmを一気の下り。第一いろは坂を爽快に駆け下り、やしおの湯に立ち寄って一風呂浴び、缶ビール片手にけごんに乗り込みました。

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2018年6月30日 (土)

小倉の昭和レトロ 雨の関門海峡を連絡船で唐戸市場へ

北九州出張では仕事の後に繁華街を街歩き。小倉の歴史を感じさせる旦過市場を巡った後は、昭和28年創業の居酒屋、酒房武蔵にて宴会。翌朝は小倉から門司港へ足を延ばし、4年ぶりに関門海峡を訪問しましたが、生憎の雨模様。今回はトンネル人道ではなく、連絡船で門司港から下関側の唐戸へ渡りましたが、連絡船の窓からは、波飛沫と靄の中、関門橋が朧気に見えるだけでした。連絡船を降りると、目の前には唐戸市場がひかえています。卸売り場には河豚の専門店がずらりと並び、その奥の屋台コーナーには中国や韓国からの旅行客が大勢押し寄せていました。ここでの食事を我慢し、下関駅前まで散歩し、お目当てのおかもと鮮魚店に向かいました。鮮魚店といっても、併設された居酒屋がもはや本店。土曜の昼下がり、初夏の鱧、鯨カツ、魚もつ煮付で一杯。本州の果てにて、至福の一時を過ごしました。

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2018年6月20日 (水)

待望のアムラン来日公演 運良く特等席へ P2演奏会予告

1997年にマルク=アンドレ・アムランの自主公演をアマチュア仲間で企画してから、早二十年。今や伝説的なピアニストの地位を確立したアムランが久々に来日することを知り、ヤマハホールのチケットを入手しようとした時には既に売り切れ状態。半ば諦め掛けていたところ、その仲間から予備のチケットを譲り受け、2階バルコニー最前列の特等席に無事到着。前半はハイドン、フェインベルク第1・第2、ベートーヴェン「熱情」のソナタ4曲、後半はシューマンの幻想曲と、重厚なプログラム。個人的にはフェインベルクが一番の関心事、熱情も先般のムストネンとは別の独自性が期待されます。案の定、熱情ではハイドンと同様にドライかつダイナミックな演奏を展開し、先入観に頼らずに巨大な構築物を現前化してみせてくれました。フェインベルクでも複雑難解な和声をバランスよく明瞭に弾きこなし、全体の構造を浮き上がらせることに成功。アンコールでは自作のトッカータも披露し、超絶技巧と探究心の健在ぶりを再確認した一夜となりました。ところで、前週には半年後に演奏会を控える仲間で恒例のホームパーティを開きました。いよいよ12月のPiano Perspectives第11回演奏会に向けて本格練習に励まなくてはなりません。

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2018年5月 3日 (木)

熱狂の日に新旧ロシアンピアニストの二公演

連休中に東京国際フォーラムで開催されるラ・フォル・ジュルネの演奏会へ初めて足を運びました。建物周囲には沢山のキッチンカーが並び、オープンカフェが賑わっていました。かつての指導学生がホールAの音場支援システムの設定に携わったこともあり、残響付加の効果の体感を兼ねて、ロシアの若手ピアニスト、ルーカス・ゲニューシャスによるショパンのピアノ協奏曲第1番を拝聴。敢えて2階バルコニーの遠くの席を選びましたが、舞台は小さく見えるものの見晴らしは良好。聴衆はまず、天井や側壁のスピーカから残響音が出ていることに気付かないでしょう。流石に音は小さいものの、ピアノの細かなフレーズも聞こえ、落ち着いた演奏に感心しました。この前座を楽しんだ後、有楽町のガード下で一杯やり、ホールB7でのベレゾフスキーのリサイタルへ。曲目は当日発表でしたが、プログラムを開けてみると、録音のないスクリャービンの練習曲作品65やソナタ5番など、大当たり。残響の乏しいホールでしたが、明瞭に聞こえる演奏の詳細に聞き耳を立て楽しみました。熱狂の日は、総じて満足な一日となりました。

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2018年3月30日 (金)

浦安音楽ホールの響き 余興のメトネル再演

音響学会の研究会が昨年開館した浦安音楽ホールで開催され、一人二役、仕事上の記念講演と役得の試聴演奏を担当しました。客席数は303席、残響時間は1.8秒と規模からすると長めながら、1階側壁の透かし壁や残響調整用カーテンなどの工夫で、良質な響きとして感じられました。ピアノはスタインウェイとヤマハのフルコンが備えられていましたが、今回はCFXを選択。舞台上では、ピアノの性格で中音域がやや控えめながら、全体的に響きの豊かさと明瞭性のバランスは良く、弾きやすさに難はありません。客席部には1階後方角部の小さなバルコニーや2階のサイドバルコニーにも座席が配置されていて、舞台との一体感が演出されています。試聴会では、私的な選曲ながら、メトネルのおとぎ話ソナタを昨年夏以来の再演。贅沢な空間で、演奏会気分を味わさせて頂きました。

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2018年3月28日 (水)

念願の初輪行 蘇った愛車にて春爛漫の房総を快走

先月、2001年から乗り続けている愛車De Rosa Al+を上野にある横尾双輪館に持ち込み、オーバーホールをしてもらいました。リヤディレーラーの9段変速を維持するため、コンポーネントはShimanoのUltegraからSoraへグレードを下げましたが、軟派な自転車乗りには十分な性能です。春休みに経験豊富な知人の案内の下、房総方面へ念願の初輪行。輪行袋はOstrichの超軽量型L-100を使用、今回は自転車の収納・組立の練習が主目的です。午前中は普通列車を乗り継ぎ、内房線の浜金谷駅で下車、館山駅までを走ります。 満開の桜や菜の花畑、浦賀水道を横目に走り、富浦漁港のおさかな倶楽部で昼食休憩。午後は近くの大房岬の自然公園に立ち寄った後、館山駅から江見駅まで乗車。外房では安房鴨川まで太平洋を拝みながら軽く走り、特急さざなみで帰路につきました。3回目の輪行袋への収納は数分で完了し、要領をほぼ習得したので、今後はせっせと輪行に励みたいと思います。本日の走行距離は56km、Bicycle Lifeを更新。

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