2017年8月30日 (水)

香港紀行その2 素晴らしき潮州料理、山海の美味に舌鼓

香港滞在中の最大の楽しみは、やはり食文化。朝食は街角のお粥屋で頂く、薄味ながら魚のあらや皮蛋の旨味が効いた粥が素晴らしい。広東料理や上海料理も食べる機会がありましたが、現地に入って潮州料理の存在を知り、初日と最終日の夜に食しました。潮州市は香港より北、海岸線より内陸に入った所に位置しますが、海に面していて、海産物の干物、練り物や鵞鳥の料理が有名です。鵞鳥肉を煮込んだ鹵水鵝は定番料理で癖もなく旨味あり。小さな牡蠣が入った粥やチヂミ、三種類の烏賊のセロリ炒めなども比較的あっさりした優しい味でした。花蟹を茹でて冷ました凍花蟹は名物ですが、一匹2万円以上の超高級食のため今回は残念ながら見送り、干し海鼠と家鴨の水掻きの土鍋煮を注文。両者ともにゼラチン質がたっぷりで大変な美味。ビールは青島と藍妹(ブルーガール)、紹興酒と合わせると、益々山海の美味に唸るばかり。

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2017年8月29日 (火)

香港紀行その1 熱気溢れる超過密都市の下町情緒

中国南部に数十年ぶりの大型台風が直撃したというニュースの翌々日、国際学会で香港に出張。往路の飛行機は無事でしたが、別の台風が近づいているようで、街は薄暗い雨模様。亜熱帯らしい蒸し暑さ、古めかしい高層ビルの密集、人混みの活気が相俟って、SF映画の未来都市に迷い込んだよう。とはいえ、地下鉄や二階建てトラムは綺麗で使いやすく、地元の人々にも都会人らしい品性が感じられます。宿泊した香港島の上環地区には骨董街や乾物街などが集まっていて、下町情緒に溢れていました。道教寺院の文武廟を訪れると、煙が充満する本堂では数多くの不思議な円盤が吊り下げられていました。よく見ると、円盤の上には大きな渦巻き状の線香があり、円盤はその落下を受け止めるもののようです。学会は香港返還時にビクトリア湾に面して建設された香港会議展覧中心で行われました。仕事の後はその近くからフェリーで対岸の九龍地区の尖沙咀に渡り、目抜き通りの彌敦道や露店が並ぶ女人街を散策。ただ、余りの熱気に参ってしまい、早々に香港島に引き揚げました。

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2017年8月12日 (土)

涼夏の定例演奏会 メトネルのソナタ初挑戦

山の日の翌日、ルーテル市ヶ谷ホールにて演奏会「ぴあの好きの集い」に出演。8月に入ってからのかつてない涼夏のお陰で、数年ぶりに体調不良もなく、落ち着いて演奏会に臨めました。いつもの長丁場の中、今回はメトネルのソナタに初挑戦。コンパクトながら3楽章形式の中でメトネルの多彩なピアニズムを味わえる「おとぎ話ソナタ」を選曲。完成度は上がらず仕舞いのため、本番では綻びが多々出てしまいましたが、久しぶりにロシアの旋律が体を駆け抜け、大地のパワーを得た気分になりました。しばらくロシア物を物色することになりそうです。Performance Historyを更新。

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2017年7月15日 (土)

旭川夏休みその2 旭岳姿見散策にて天空の別世界を満喫

夏休みのハイライトは大雪山旭岳。旭川駅からリムジンバス「いで湯号」に揺られて一時間半程、忠別川沿いの広大な原生林を駆け上り、旭岳ロープウェイの山麓駅に到着。さらにロープウェイで標高1,600mの姿見駅まで上ると、気温は20度とひんやり気持ちよく、目の前には大雪山系最高峰(標高2,291m)、旭岳の雄姿が雪の残る沼の向こうに広がっていました。ここから山頂まで片道2時間少々で登れるようですが、今回は姿見の池を散策するコースをゆっくりと巡ることに。一面に咲くチングルマ、所々に見掛けるエゾノツガザクラ、エゾイソツツジ、ミヤマリンドウ、小さな花々が織りなすパノラマはまさに神々の庭。天空の別世界を満喫した後は下界の旭岳温泉に浸かり、身も心も癒されて帰京しました。

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2017年7月14日 (金)

旭川夏休みその1 避暑のはずが猛暑の北の大地

夏の三連休前に休暇を取り、避暑がてら旭川へ逃避行。ところが日中は猛暑に見舞われ、一足先に真夏を味わうことに。旭川には三十年前の冬に訪れ、駅の待合室に野宿したことがありますが、今の綺麗な高架駅や駅前広場に当時の面影はありません。午前中はすっかり観光名所となった旭山動物園へ。ペンギンやホッキョクグマは人気者、中でも水中を飛ぶカバは不思議な光景、北海道のオオワシの立ち姿も立派でした。帰りのバスを途中下車して高砂酒造に立ち寄り、明治酒蔵を改修した直営店で国士無双の限定酒を試飲。夕方、歩行者天国の平和通買物公園から常磐公園を経て石狩川まで散策。歓楽街のさんろく街に戻る途中、昭和初期の佇まいが残る「5・7小路ふらりーと」を見つけ、新子焼き(若鶏半身)で有名な焼鳥屋にて喉を潤し、火照った体を冷ましました。

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2017年7月 4日 (火)

フレイレ来日公演 ブラジルの自由さと優しさに満ちた音楽

今や巨匠として名高いネルソン・フレイレには長年強い関心を持っていましたが、生で聴く機会に巡り会えずにいました。12年振りの来日公演が開かれると知り、万難を排してすみだトリフォニーホールへ。曲目変更を受けて、前半にバッハ編曲物とシューマンの幻想曲、後半にヴィラ=ロボスの小品とショパンの第3ソナタ。いずれも若い頃の録音は聴いていますが、年を積み重ねた今の演奏に関心が集まります。最初に舞台袖から七十過ぎの老人が小さな歩幅で登場した時は少し心配しましたが、ピアノを弾き始めた瞬間に杞憂に終わり、意外にも誠実で優しさに満ちた演奏に心打たれました。壮年期にはアルゲリッチにも比肩する情熱的な演奏、特にラフマニノフ第3協奏曲やシュトラウス=ゴドフスキ「こうもり」、ヴィラ=ロボス「野生の詩」が強く印象に残っていましたが、実は昔から演奏に派手さや奇をてらうことはなく、正統派だったことに気付かされます。とはいえ堅い正統ではなく、ブラジルの風土を連想させる自由さと大らかさが、音楽をより豊かに響かせているようです。ショパンのソナタ最終楽章やアンコールでは、さりげなく高度な技巧も披露。ブラジルの巨匠は、聴く人を幸せな気分にする類い希なピアニストでした。

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2017年6月25日 (日)

音盤回想録2016 ソコロフのドイツ音楽 ローゼンタールの秘技

今年も半ばに差し掛かりましたが、遅ればせながら昨年の音盤回想録、Discs Reminiscence 2016を掲載しました。回想録16年目にして初めて同一ピアニストから2枚、ソコロフのドイツ音楽を選出。一枚目は、この一年間ほど毎朝通勤時にBose製ノイズキャンセリングイヤホンで聴いているバッハの「フーガの技法」。以前はグールドの演奏を聴いていましたが、ソコロフのタッチの粒立ちと声部の鮮明さは尋常ではなく、すっかりはまってしまいました。一方、最近のライブを収録したDVDでは、シューベルトとベートーヴェンの傑作に対峙し、驚くべき集中力の演奏を披露。特にシューベルトの即興曲や小品集では、透明な詩情を最大限に引き出す様に感嘆します。その他、ローゼンタールの録音全集からの一枚、やはりシュトラウス・ファンタジーで繰り広げられる超絶技巧は唯一無二。昔の不明瞭な録音のお陰で、伝説的な名演や秘技が生き続けています。

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2017年5月 9日 (火)

カツァリス来日公演 大手町でシューベルトの夕べ

浜離宮のロシア物から4年振りにカツァリスの来日公演を聴きに、夕方の仕事帰りに大手町の日経ホールへ。今回のプログラムはオール・シューベルト、正直に言えば、彼のシューベルトにはあまり期待しておらず、初めて訪れるホールの方に興味がありました。お馴染みの即興演奏で幕を開けると、前半は楽興の時や即興曲、3つの小品から数曲、リスト編曲3曲を一気に弾きましたが、彼の自由奔放な演奏がシューベルトの詩情の明るい側面を際立たせていました。後半はソナタ第21番でしたが、音楽が次々に流れていくようで、この名曲の深遠な世界には程遠い印象を持ちました。とにかく彼が健在なことがなにより、また面白いプログラムを企画してくれることでしょう。ホールの方は多目的ということで残響は乏しい上、6列目正面にもかかわらず音量も小さく、残念ながら名演をじっくり味わえる場ではありませんでした。チケット代は随分安価でしたが、安かろう悪かろうということか。

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2017年4月15日 (土)

もう一つの阿波へ 風光る紀伊水道 桜満開の和歌山

先々週探訪した千葉の安房に引き続き、今回はそのルーツの地である徳島の阿波に出張で訪問。徳島空港のある松茂町では、仕事の合間に立ち寄った歴史民俗資料館に人形浄瑠璃資料館が併設されていて、阿波人形浄瑠璃の存在を知りました。徳島市内の阿波十郎兵衛屋敷では毎日上演されるようで、次に訪れた際は鑑賞したいものです。仕事から解放されると、徳島港から南海フェリーで一路和歌山へ。春の陽気の中、紀伊水道をのんびり2時間程で渡ると、和歌山港に到着。たった一駅区間の南海和歌山港線で和歌山市駅に移動すると、市内をJR和歌山駅まで街歩き。紀州藩の時代からの繁華街、ぶらくり丁商店街は衰退が激しく、中心街でも人影は僅かでしたが、和歌山城の堀が見えてくると満開の桜に集まった花見客で賑わっていました。夕暮れの天守閣を拝んだ後、和歌山駅から阪和線で泉南に帰省。翌日は関空からの帰京前に再び和歌山県に入り、岩出の根来寺までドライブ。幼少時に何度もピクニックに訪れた山門は、今も威風堂々と静かに人々を見守っていました。

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2017年4月 1日 (土)

春の安房へ 小雨の中を路線バスで岬巡り

都内から内房線に揺られ、古い歴史を持つ安房地方へ。館山から海沿いを少し西に向かい、安房塩見にて一泊二日の出張。雨の中、集落や古民家を視察した翌日は、直帰せずに房総半島南端を路線バスで周遊することにしました。小雨の残る中、まずは最西端の洲崎へ向かい、浦賀水道を臨む洲埼灯台へ。小さな集落を散歩し、洲崎神社を拝んだ後、再度バスで終点の道の駅、南房パラダイスまで移動。そこから相浜方面まで海に沿って歩き、道中で見つけた手打ち蕎麦屋で昼食休憩を取りました。昼食後は別の路線バスに乗り込み、房総半島最南端の野島崎に向かうと、海に突き出した台地の上に白色八角形をした野島埼灯台が見えてきました。灯台の内部を階段で上ると、頂部からは黒い岩石で覆われた岬の先端が見渡せ、晴天であればさぞかし気持ちの良いことでしょう。近くの干物屋で土産を買って、千葉市内直行の高速バスで帰路につきました。

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