2019年10月21日 (月)

コンサート日和 リベッタとロジェとヴォロディンの来日公演

9月後半からの一ヶ月間に三つのピアノコンサートを大いに楽しみました。一つ目はフランチェスコ・リベッタによるゴドフスキー編ショパン練習曲の全曲演奏会。この前代未聞の演奏会は戸塚区民文化センターにて昼と夜の二部構成で開催されました。超絶技巧が要求されるこの曲集において左手の曲ではさすがに苦労が見えましたが、その対比で両手の曲では余裕が感じられ、最後まで飽きさせませんでした。二つ目は東京文化会館小ホールで開かれたパスカル・ロジェのフランス物演奏会。前半はサティ、ラヴェル、プーランク、後半はドビュッシー、特に学生時代からお気に入りのプーランクの「ナゼルの夜」を生で聴け、感慨が湧きました。最後は紀尾井ホールで開かれたアレクセイ・ヴォロディンのロシア物演奏会。前半はメトネルのおとぎ話、後半はプレトニョフ編チャイコフスキー「眠れる森の美女」とバラキレフのイスラメイ。ロシアンピアニズムを体現する中堅の筆頭は、余す所なく各曲の魅力を引き出し、颯爽とした演奏を繰り広げてくれました。

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2019年9月10日 (火)

ドイツ紀行その1 若き日の思い出の地アーヘン再訪

ドイツの通貨がマルクからユーロに変わる今世紀初年の秋から十ヶ月間、オランダとベルギーの国境近くのアーヘンに暮らしたことがあります。今年は出張で17年振りに思い出の街を再訪することに。成田発仁川経由でフランクフルト入りの予定が、幸運にも台風で羽田発の直行便に変更。余裕を持ってフランクフルト空港駅からアーヘン直行のICEに乗れたものの、今度はケルンから先で鉄道工事があり、迂回経路で大幅な遅延。何とか深夜に懐かしいアーヘン駅に到着。アーヘンには5日間の滞在でしたが、昔と変わらぬ街並み、コンビニはなく、スーパーは週末休みと生活様式も守られていることに深く感心しました。世界遺産の大聖堂や市庁舎のある歴史地区や住んでいたアパート近辺をぶらつくと、昔の記憶が蘇ります。行きつけだったレストランに入り、ヴァイツェンビールと豚肉のカツレツを注文。付け合わせのジャーマンポテト(Bratkartoffeln)の味が何とも懐かしい。

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2019年9月 6日 (金)

はじめてのブルーノート東京 真夏の夜のカミロ

知人に誘われ、金曜の夕刻、南青山のブルーノート東京を初訪問。正面玄関の扉を開けて地下に降りると、自由席予約のため、一旦ロビーで順番待ち。開場時間になると、しばらくしてもう1階下のクラブへ案内され、舞台の上手側、ピアノ演奏がよく見える座席に陣取りました。座席数は400席程度、室内の吸音が効いていて残響はかなり短そうです。今日のコンサートは、ドミニカ出身のジャズピアニスト、ミシェル・カミロとビッグバンドの共演。カミロと言えば超絶技巧のラテンジャズ、ソロアルバムをDiscs Reminiscent of 2017の一枚に選んだこともあり、一度ライブを体験してみたかったところ。さて、ビールを飲み干し白ワインに移った頃、楽団が登場、最後に御大が陽気に現れました。演奏が始まると、最初は電気音響で増幅された音量の大きさに戸惑いましたが、次第に御大のピアノとドラムス、トランペットやサックスとの情熱的な掛け合いに圧倒され、時が過ぎていきます。静かなピアノソロも途中にありましたが、電気音響のせいで弱音の幅がなく、音色も単調。結局はどんちゃん騒ぎが見せ場、クラシックでは考えにくい御大のピアノ奏法はやはり只者ではありません。こうして花火大会のごとく、真夏の夜の祭典はあっという間に終了。

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2019年8月17日 (土)

旧奏楽堂にて七年振りの演奏会 蝉時雨は相変わらず

夏休み恒例の「ぴあの好きの集い」演奏会が七年振りにリニューアル後の旧東京音楽学校奏楽堂にて開催されました。建物全体が改修され、ホールの座席が新しくなった他、楽屋も綺麗になり、トイレも新設されました。しかし、建物の遮音性能は相変わらず低く、夏場はホールの窓から蝉時雨がしっかりと入り込んできます。昨年のリニューアルオープンの記念式典では残響不足が気になり、ピアノ演奏でどうなるか心配でしたが、私以外に気にしている人は見かけず一安心。座り心地の良くなった座席で長時間の演奏会も楽に聴くことができました。今回私はイギリスのコンポーザ・ピアニストのヨーク・ボウエンの作品を取り上げました。ラフマニノフを想起させる24の前奏曲からの数曲とヴィルトゥオジティに富むトッカータを演奏。もう少し取り上げられても良い作曲家の一人ではないでしょうか。

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2019年6月29日 (土)

住宅地に潜む博多温泉は驚愕の秘湯

福岡出張では天神駅から西鉄で数分の大橋駅近くに宿泊。九大芸術工学部訪問の際、この駅には何度か訪れたことがありましたが、今回は帰京までの空き時間に近辺を散策することに。住宅地を抜けて那珂川の河畔まで来ると、博多温泉の看板が見えます。大きなビルの旅館に辿り着きましたが、スマホのマップでは川向こうに元湯とあります。橋を渡り再び住宅地に入ると、謎めいた木造建屋と元祖元湯の石碑や由来記を発見。50年程前に地蔵尊の袂に井戸を掘ったところ、49℃の湯が沸き出したそうです。玄関には小さな番台があり、すぐ脇の引き戸から波板で囲われた4人も入れば満員の小さな浴室に入ります。最初の驚きは、足先だけでも厳しい湯の熱さ。次に、塩ビパイプから猛烈に源泉が吹き出す様に驚愕。30分毎に源泉を継ぎ足す仕掛けでしたが、パイプが激しく振動し、一見故障かと思うほど。湯船には一瞬しか浸かることができませんでしたが、風呂上がりは誰もいない二階の広い休憩室で寝転がり、不思議な安らぎの時間を過ごしました。

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2019年6月11日 (火)

音盤回想録2018 ホロデンコ来日公演 新星は正統派

ロシアの若手ピアニストの中で今最も注目しているヴァディム・ホロデンコが豊洲シビックセンターにてリサイタルを行いました。曲目はゴドフスキーのショパン練習曲、スクリャービンの第6ソナタ、プロコフィエフの第8ソナタなど、マニア垂涎の難曲揃い。案の定、大勢の知人が顔を連ねていました。驚くべきは弱音と声部の繊細な制御、指周りや腕力に依らない音楽性が際立ち、若手では久しぶりに正統性を感じさせます。丁度昨年の音盤回想録を完成しましたが、彼のバラキレフのソナタを挙げたところ、今後の活躍から目を離せません。さて、Discs Reminiscent 2018を掲載。新盤ではマルテンポのリャプノフやエマールの鳥のカタログ、昔の愛聴盤からはハフのボーエン、アムランのジャズ風オムニバスなど。最近はなかなか新しいCDを購入できていませんが、二千枚を超えたCDを少しずつ聴き直すように努めたいと思います。

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2019年3月31日 (日)

ジャンプW杯2017/18終了 小林陵侑伝説の始まり

ジャンプW杯2017/18シーズンは、小林陵侑の予想を超えた大躍進に世界が驚かされました。年末年始のジャンプ週間では4戦全勝、ワールドカップでは13勝を挙げて総合優勝と、いずれも日本人初の偉業を達成。ゼーフェルトの世界選手権では天候の不運もあって個人のメダルに届きませんでしたが、二つの偉業に比べれば小さなこと。これから彼の伝説が長きにわたり続くでしょう。女子はルンビが2年連続の女王に輝き、アルトハウスとザイファルトのドイツ勢が続きました。日本勢は高梨が4位に終わり、来年度の巻き返しを期待したいところです。World Ski ChampionshipsWorld Cupを更新。

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2019年3月24日 (日)

平成末のお伊勢参りその2 日本のふるさとで命の洗濯

本日は朝から伊勢神宮を参拝。まずは外宮の鳥居をくぐり、神木が立ち並ぶ参道の玉砂利を踏みしめて、豊受大御神を祀る正宮へ。大勢の参拝者にも乱されないゆったりとした厳かな雰囲気は流石、神秘に触れたようで心が洗われます。内宮へはバスで移動し、五十鈴川を渡って聖地へ。日本の古代を想像しながら、天照大御神を祀る正宮と幾つもある別宮をお参りした後は、現世の賑わいを見せるおかげ横丁へ。御料酒の白鷹を立ち飲みできる酒屋に吸い寄せられた後は、伊勢市駅前に戻って老舗の山口屋で伊勢うどんを頂きました。昼過ぎに帰路に就きましたが、ふと四日市で途中下車し、夕食がてら一番街商店街を散策。この地で有名な大入道のからくり人形に遭遇し、三重再訪を誓いました。

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2019年3月23日 (土)

平成末のお伊勢参りその1 伊賀上野の城下町をふらり散歩

京都出張後の週末、小学生以来、平成最後のお伊勢参りを計画しました。奈良に宿泊し、朝は猿沢池や興福寺を散歩。昼前に関西本線で東に向かい、伊賀上野駅で伊賀鉄道の忍者列車に乗り換えて中心街へ。まずは小さな丘の上に建つ伊賀上野城に向かい、天守閣から盆地が見渡した後は、隣接する伊賀流忍者博物館を訪問。忍者屋敷のからくりや忍術の道具を見て回った後は、小京都として知られる城下町をのんびり散策。武家屋敷や町家、商家や酒蔵、寺町など、観光客のいない静かな町並みを楽しみました。町外れで再び伊賀鉄道に乗車、伊賀神戸駅で近鉄特急に乗り換えて、一路夕方の伊勢へ。向かうは、寂れ具合が目立つ新道商店街の先にある名酒場・一月屋。暖簾をくぐるとほぼ満席の賑わい振り、商店街とは別世界の生きた時空間がそこにはありました。

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2019年2月10日 (日)

プヌ族の白塗りマスク アフリカからの久方振りの新顔

アフリカ中西部のガボンには、国内の大半を流域とするオゴウェ川が流れています。その流域の熱帯雨林に住むプヌ族のマスクには以前から惹かれていましたが、最近とあるルートで入手することができました。顔の白塗り、額の菱形、日本髪のような結髪が特徴的で、女性を表しています。このマスクを付けた踊り手は、竹馬に乗って葬送や先祖崇拝の儀礼に登場するそうです。久しぶりにアフリカからの新顔が自宅のコレクションに加わりました。African Masksを更新。

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